平成２１年５月２７日（水）台湾Academia SinicaのDr. Lin Chi-Hungをお招きして、第５回特別セミナーを開催しました。

Dr. Lin Chi-Hung（Institute of Biological Chemistry, Academia Sinica, Taiwan）

演題 "Functional glycomics of multi-fucosylated extended type 1 chain: from structural identification to biological implications"

Lin Chi-Hung (林 祈宏) 博士は、ご自身の学位論文となった仕事を中心に、細胞のがん化に伴い、タイプ１エピトープとよばれる特徴的な血液型関連糖鎖抗原が発現すること、この変化は特定の糖転移酵素の遺伝子発現およびそれら酵素の細胞内局在性と密接に関係していることなど、最近の知見を紹介してくださいました。博士の所属するAcademia Sinica は、わが国の理化学研究所に相当する台湾を代表する研究機関であり、なかでも、Lin博士の指導にあたるKhoo K-H 博士は、質量分析の世界的な権威であり、質量分析による糖鎖構造解析の世界の最先端技術が紹介されました。学内のライフサイエンス系の教員、院生、学生など、約20名の参加者を得ることができ、発表後も活発な討論が続きました。